高校休学したいあなたへ|将来への影響、メリット・デメリットなどまとめ

学校が合わなくて、このまま卒業まで過ごすか悩んでる。学校生活以外にやりたいことがあって集中したい。あまり学校に行けていなくて、通える自信がない……。
さまざまな事情で高校の休学を検討しているけれど、将来が心配でなかなか決断できないでいる。

今日はそんな方へ向けて、高校休学を考える時に知っておきたいことをまとめました。

高校休学の手続き方法

高校での休学はあまりメジャーではありませんが、ほとんどの高校では休学が認められています
手続き方法も難しくなく、基本的には「休学届」を提出して校長先生が認めれば休学することができます。

ただし、休学の理由に条件があったり、休学できる時期・期間に決まりがあったりしますので、細かな手続き方法や条件については自分の通う高校の校則を確認してみてください。

休学するメリット

休学をするとなると、多くの方はネガティブな理由を思い浮かべるかもしれません。
しかし実際には、高校時代の休学にはさまざまなメリットがあるのです。

ゆっくりと将来を考えられる

人によっては、休学してすぐは身体の回復や精神面のケアが必要になるかもしれません。
その後、少しずつ余裕が出てきたら、ぜひ「自分のこれから」について考える時間を取ってみてください

将来どんな生き方がしたいのか、高校から先で何を学びたいのか、どんな経験がしたいのか。

それらを高校生、10代のうちに考えられる人はそういません。
今すぐにやりたいことや夢がなくても、「将来を考える」ということそのものに価値があります

勉強・学校のこと以外に十分な時間が取れる

休学をすると、当たり前ですがたくさんの時間がうまれます。これまで学校に行っていた時間や部活動などに費やしていた時間を、自由に使えるようになるのです。

例えばボランティア活動やアルバイトをしてみる、やったことのないことに挑戦する、祖父母の家に行きゆっくり過ごすなど……。
勉強や学校からは少し離れて、自分が本当にやりたいこと、試したいことをしてみましょう。

他にも、学校の授業とは違うジャンルの勉強をしたり、資格取得を目指したりするのもお薦めです。

学費が減額/免除される

多くの高校では、休学をするとその分の学費が減額/免除されます。

経済的な理由や家庭の事情から高校に通うのが難しくなった場合でも、すぐに退学する必要はないんです。
1年休学をして状況が落ち着いてから学校に復帰することもできます。

まずは学校の先生に相談してみて、自分にとってどの方法が良いのかを検討してみてください。

休学するデメリット

休学にさまざまなメリットがある一方で、やはりデメリットもあります。

留年する確率が高い

日本では、中学校までは義務教育であるため、出席日数や成績に関係なく全員が卒業することができます。しかし高校は義務教育ではないので、「単位」を取得できないと卒業できません。

「単位」は科目ごとに定められていて、テストの点数や授業態度、出席日数などを総合して判断します。つまり、休学をする(=出席日数が減る)と単位が取得できなくなる(=卒業要件が満たせなくなる)ということなのです。

ですので休学をしたほとんどの人は留年をして、(3年制の場合)合計4年かけて卒業することになります

年下の子たちと同じクラスで学ぶことになる

大学までいくと、留年してもさほど目立ちません。学年は関係ない講義がほとんどですし、同じ学年であっても学ぶ分野が違えばほぼ一緒にならないからです。

しかし多くの高校は、クラス制を導入しています。30人~40人程度のクラスごとに授業を受けるのです。
この場合、留年した人は自分より一つ年下の人たちと同じクラスで学ぶことになります

また、高校生の段階では「留年」はとてもレアなことなので、特に新学年になってすぐの頃は少し噂になるかもしれません。

将来(進学/就職)に影響する?

休学するか悩む人の多くが考えるのが「将来に影響してしまうのでは……」ということ。受験で不利になったり、就職が決まりにくくなったりするのではないか、と考えるのですね。

「休学した=進学/就職できない」ということはない

結論から言うと、休学したからといって必ずしも進学や就職ができなくなるということはありません

留年して四年制大学に進学した人もいますし、休学したけど高校卒業して一般企業に就職した人もたくさんいます。

休学中の経験や、その後についてしっかり説明できることが大事

「高校で休学・留年した経験がある」と分かれば、面接などの際に確認されると思います。その時に大切なのは、なぜその道を選んだのか、その後どうしたのかを自分の言葉で説明できるようにすることです。

休学した一年間、どんなことをして過ごしたのか。
なぜ休学を選んだのか。
実際にしてみて何を感じたのか。

その一年間を、あなたの引け目として捉える必要はありません。むしろ今しかできない経験をしたと思って、自信をもって面接に臨みましょう。
大丈夫。あなたのその一年は、決して無駄な時間ではありません。あなたにとって必要で、尊くて、大切な時間なのです。

今の高校以外の場所を選ぶ場合

休学を検討する人の中には「そもそももうこの学校には行きたくない」「転校して新しい環境に移りたい」と思っている方もいるかもしれません。
そういった場合には、編入や転校をして、今とは違う学校に通うのもひとつの手です。

通信制高校

「毎日学校に通うのがしんどい」「集団授業が苦手」といった場合には、自宅学習の時間が多く取れる通信制高校がいいでしょう。

中には年3回程度のスクーリング(通学)とレポートの提出・試験で卒業できるところもあり、自分の好きなスケジュールを組みやすくなります
ただ一方で、きちんとレポート課題をこなさないと3年・4年間での卒業が厳しくなりますし、そもそも勉強のモチベーションを保ちにくい面もあります。

そのため、通信制高校を選択する場合でも、サポート校といって、どこか別の場所に通いながら課題をサポートしてもらうのが一般的です。

定時制高校

定時制高校は、夜間やその他特別な時間・時期に授業をおこなう高校を指します。

全日制高校よりも遅い時間になるため、朝早い活動が苦手な方や、日中に仕事をしていて高校に通うことが難しい方でも通うことができます。

全日制高校

もちろん、他の全日制高校に転校・編入する方法もあります。
編入は受け付けているか、無理なく通うことができるか、勉強についていけるかなど、慎重に検討したうえで進路を決めましょう。

高卒認定試験

「そもそも学校に通いたくない」「自習を続けられる」という場合には、高等学校卒業程度認定試験(高認)に合格するという方法もあります。

ただし、高認はあくまで「高校卒業程度の学力がある証明」に過ぎず、学歴とは認められません。
大学などに進学しない場合は最終学歴が中学校卒業になるため、その点のみ留意しましょう。

別の高校を選ぶ時に知っておきたいこと

転校・編入をする、別の高校を選ぶ時に、ぜひ知っておいてほしいことがあります。

転校・編入の手続き方法

高校生が転校・編入を希望する場合の流れは、以下の通りです。

  1. 在籍校へ転校する旨を連絡
  2. 在籍校から「在学証明書」「成績(単位取得)証明書」「在籍校校長の転学照会書」を受け取る
  3. 転入を希望する学校か新住所の教育委員会に転校可能かを確認する
  4. 編入試験を受験する
  5. 合格した後、転校先の学校に必要な書類を提出する

高校は義務教育ではないため、編入試験を受ける必要があります。
また、欠員がないなどの理由で編入を受け付けていない学校もあるため、志望する学校に事前に確認するようにしましょう。

詳しい手続きの方法や必要な書類については下記のページで詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。

【不登校】転校するにはどうすれば?必要な手続きと転校するメリット

「学校には行きたいけど、あの学校に戻るのは嫌だ……」 「子どもには学校に行ってほしい。でも戻りたくないと言うし、どうすれば?」 ......

焦って選ぶ必要はない

転校・編入をしたい場合、多くの方は「早く決めたい」「すぐにでもこの環境を変えたい」と思っています。
しかし、編入したからといって必ずしも事態が好転するとは限りません。

自分(お子さん)に合った環境を見つける、無理なく通えてストレスなく過ごせる場所を見つけるためにも、じっくりと検討して決めるようにしましょう。

まずは、誰かに相談してみよう

ご自身でインターネットなどで調べるのももちろん大切なのですが、学校の先生などに相談してみるのも大切です。

編入試験のための勉強、志望校の選定、書類の準備など、転校・編入の時にすべきことはたくさんあります。自分ひとり、家族だけで抱え込もうとせず、いろんなところの力を借りながら、よりよい環境に行けるよう取り組みましょう。

高校生向けの相談サービスを提供しているところもあります。無料で受け付けているので、学校の先生に相談しにくい場合はそういったところも検討してみてください。

まとめ

今回は、高校休学を考えている方へ向けて、休学のメリット・デメリットや将来への影響などをまとめました。

今の日本では、高校は3年間で卒業するのが一般的です。だから、経済的な事情や心身の不調などから高校に通うことが難しくなった場合、休学ではなく中途退学をする人が多く、また、学校もその選択を薦めることが多いそうです。

しかし実際には、休学して一年間別のことに取り組んだ後、ゆっくり高校卒業に向けて勉強するという方法もあります。

大切なのはどの選択をするかではなく、あなたがその道を選んでどう思うか。将来も左右するようなものですから、周りの人とも相談しながら、じっくり検討してみてくださいね。

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