「親がうざい」それ、もしかしたら“過干渉”かも?過干渉な親の対処法

友達とのメッセージのやりとりを厳しくチェックされる……。
少しでも帰りが遅くなると何度も着信、帰ってからもしつこく問い詰められる……。
毎日どこに居て何をしているのかを必ず報告、付き合う友達も親の決めた人ばかり……。

そんな、いつも監視されているような環境では、息苦しくなってしまいますよね。

「うざい!」「ほっといて!」
と感じる人がほとんどだと思います。

実はそれは、過干渉・過保護かもしれません。
過干渉な親のもとで育つと、家庭に居場所を感じられなくなってしまい、大人になってからも様々な弊害が生じます。

社会人になれば、自分で働いて家を出たり、家族と距離を取ったりできます。
でも、学生のうち、特に10代の時には、自分ひとりで家を出ることもできず、どうしたって家族と付き合っていかなくてはなりません。
実際わたしは小学生の頃から家庭の中での居場所のなさを感じて来ましたが、家以外に帰る場所はなく、根本的な解決策が見えてきたのは、成人した後、つい最近のことです。

家から離れることはできなくても、過干渉な親との付き合い方を考えることはできます。
むしろ、10代や、若い時から家族との付き合い方、自分に合った距離感を見つけておくことで、大人になってから生きやすくなるきっかけになるでしょう。

今回は、過干渉な親に悩む方に向けて、「過干渉な親との付き合い方」をご紹介します。

◆目次

過干渉な親ってどんな親?

まずは、自分の親が過干渉・過保護なのかを振り返ってみましょう。
ただ、ここで挙げている特徴はあくまで一例であり、当てはまる項目が多くても過干渉だと確定されたわけではなく、逆に当てはまる項目が少なくても過干渉でないとはかぎりません。
あくまで重要なのは「あなたがどう感じるか」です。

過干渉な親の3つの特徴

親と子どもの間における「過干渉」とは、

  • 子どもが嫌がることを無理にやらせようとする
  • 子どものやりたいことを制限して自由にやらせない
  • 子どもの行動を細かくチェックし管理する

などが当てはまります。
共通しているのは、「子どもの行動をコントロール」しようとしていること。
そんな過干渉になってしまう親には、いくつかの特徴があります。

1.「自分」と「子ども」の境界線がうまく引けていない

人には必ず「自己」と「他者」の境界線があります。
例えば、自分は嬉しいことでも誰かは嫌かもしれないし、自分にとっては不幸せでも誰かにとっては幸せかもしれないのです。

過干渉になってしまう親御さんで多いのが、「自分」と「子ども」の境界線があいまいになってしまうこと。
特に母親は、自分の身体でお子さんを産むので、その線引きがうまくできないことが多いのだそうです。

境界線がうまく引けないと、「自分の望むこと」と「子どもの望むこと」がイコールでつながってしまいます。
そして、子どもの思考を先回りして考え、「この子はこれを望んでいるはず」「これが幸せに違いない」と決めつけてしまうのですね。

◆例えば・・・
  • 子どもの進路や習い事を勝手に決めてしまう
  • 「あなたのためなんだから」が口グセ
  • 言葉で言わなくても子どもとは分かり合えると思っている

2.子どもの成長に気付いていない

幼い頃に好きだった食べ物を「好きだったでしょう」と今も出してきたり、「いつまでも、あなたはお母さんがいないとダメなんだから」と言ってきたり……。
子どもの成長に気付かない親は、少なくありません。
わたしの母も、よく「私の中では成長が小学生くらいで止まってるから、知ってる好みもそのまま」と言ってきました。

たしかに、生まれたばかりの頃は自分自身では何もできず、親や周りの大人たちが面倒を見なくてはいけません。
しかし、子どもは次第に成長し、自分で考え、自分で決定するようになります。

子どもにとって親は、生まれて初めて出会う「完全体」。
いつか子どもが育ち、自ら考え自ら選択するようになった時、そんな親に尊重してもらうことで、自信を持ち、子どもは成長していくのです。

しかし親が子どもの成長に気付かず、いつまでも赤ん坊のように思っていては、子どもは失敗することも成功することもできません。
いずれ子どもは、自己の成長と、親の接し方のギャップに気付き、苦しむようになってしまうのです。

◆例えば・・・
  • 子どもが決定したことを尊重しない
  • 子どもの交友関係に口出ししてしまう
  • いつまでも幼い頃と同じように着る服を選んだり逐一連絡してきたりする

3.子どものことをすべて知らないと気がすまない

「子どもがどこで何をしているのか」「どんな人との付き合いがあるのか」
多少はどんな親も気にするものでしょうが、それが行き過ぎると過干渉になってしまいます。

先ほども書いた通り、過干渉とは「子どもの行動をコントロールする」こと。
コントロールするには、まず子どもの行動を知らなくてはいけません。
加えて、自分が望む行動を子どもがきちんとこなしているか、意図に添わない行動を子どもがしていないか、をチェックしているのです。

親が子どもを信じ、子どもの自主性を尊重しなければ、いつまでたっても子どもは自立ができません。

◆例えば・・・
  • 子どものスマホの着信履歴やメールのやりとりを逐一チェックする
  • 1日どこで何をしていたのか細かく訊く
  • 机の中や荷物を勝手に見る

過干渉な親は「加害者」でなく「被害者」なのかもしれない。

大前提として、子どもは、過干渉な親を無理に受け入れようとする必要はありません。
しかし、親が過干渉になってしまったのは、なんらかの苦しんだ過去があったからかもしれないのです。

過干渉の親のような、子どもにとって悪影響を及ぼす親のことを「毒親」と言いますが、多くの毒親は、毒親によって育てられていることが少なくありません。

例えば、母はわたしに対して「家庭内で弱音を吐かない」ことをすごく強いてきました。
そしてそんな母は、義母(わたしの祖母)にずっと「家庭内では完璧であること」「夫(わたしの父)を敬うこと」を強いられてきたのです。
自らの実家を離れ、近所づきあいもそれほどなかった見知らぬ土地で、義母のプレッシャーを受けながら独りで2人の子どもを育てるのは、きっと大きな苦労があったでしょう。
わたしの父は超超超仕事人間だから、相談もできなかったはず。
そんな「一言の弱音も吐けない環境」で長年暮らしてきた母だからこそ、「わたしが弱音を吐けている状況」を許せなかったのだと思います。

過干渉とは違いますが、わたしの母のように、いわゆる「毒親」になってしまう親の中には、自分を犠牲にしてきた過去を持つ方が少なくありません。

「自分は受け入れてもらえなかったのに、なんでこの子は受け入れられているの!」
そんな、長年の人生の中で叶わなかった想いが、「過干渉」という形であらわれてしまうのです。

そのため、過干渉を解決するには、「子どもへのフォロー」と共に、「親御さんへのフォロー」が必要な場合もあります。
今回は子ども側の行動について詳しく見ていきますが、「自分の親にも原因があるのかも……」と感じたら、ぜひ周りの大人へ相談してみてください。

過干渉な親との付き合い方

1.過干渉であることを伝える

過干渉な親の中には、自分が過干渉であることに気付いていない親も一定数居ます。
だからまずは、過干渉であることを伝える必要があるのです。

具体的にどういった行動をやめてほしいのか、どういった発言を過干渉だと感じているのかを伝えられるといいですね。
あらかじめメモ帳などに書いてから伝えると、整理して伝えられると思いますよ。

2.親の知らないコミュニティを作る

過干渉の親の多くは、子どものすべてを知ろうとしてきます。
しかし、すべてを知られている状況では、居心地が悪いですよね。
親の知らないコミュニティを作ることで、その居心地の悪さが解消できることがあります。

実際、このサイトでも多くの子どもが親に知られないまま相談サービスを利用しています。
家族についての相談をしたいのに家族に知られていては、話しにくいですからね。

家族、友達、恋人、どんな間柄でも「知らないことがある」というのは当然のことなのです。
そのことに罪悪感を持つ必要はないし、親の知らない場所で人とのつながりやコミュニティを持ってもいいんですよ。

3.正面から対応せずに受け流す

過干渉の親は、子どもの成長に気付いていない親も多いもの。
そのため、子どもから直接、過干渉であることを伝えられても、受け入れられるとは限らないのです。
そんな過干渉な親との付き合い方を考えるのは、なんとも億劫になってしまいますよね。

重要なのは、正面から対応せずに受け流すこと。
親の言葉は、子どもの心に大きな影響を及ぼします。それは、愛情や、優しさとしてはもちろんですが、逆の意味でも同じ。
つまり、子どもを傷つけるような言動を親がしてしまえば、子どもの心には、一生消えないほどの深い傷をつけることができてしまうのです。

大切なのは、子どもの、つまりあなたの身体と心を守ること。
親が何を言ってきたとしても、深く考え込む必要はありません。真面目に応える必要もありません。

あなたの人生を決めるのは、あなた自身なんだから。

家族のことが嫌いでも大丈夫だよ 親に反抗したわたしの過去

過干渉な親で悩む子どもの中には、「親のことを嫌いな自分が受け入れられない」という子もたくさんいます。

「親は子を愛するもの」「家庭こそが人の一番の居場所」
そんな悪気ないメッセージが、この世の中にはあふれています。

「親が嫌い」
「家族が信頼できない」
「家で安心できない」

もしかしたらそれらの感情は、多くの人が実感できない感情かもしれません。
そんなことを言うと、「親御さんだって君のことを愛しているに決まってるよ!」なんて言ってくる方もいると思います。
きっとこの言葉は、間違いではありません。

多くの親は、子どもを愛しているし、大切に思っています。幸せを願っています。
その想いが空回って、「過干渉」を生んでしまうこともあるでしょう。

しかし、子どもがそれを考える必要はありません。

わたしは人生で二度、親に反抗したことがあります。
一度目は、帰りが遅くなったのを咎めらた時。
二度目は、「親に迷惑をかけるのが子どもの役目」と言われた時。

どちらも、「普段はまったく家庭のことを顧みないのに都合のいい時だけ父親面しやがって」という感情ゆえの反抗でした。

そして最近、将来の生き方について「後悔しないように」「自分にできることの軸を考えて」といったメールが届きました。
何人かの人に伝えてみると、返ってくるのは「親御さんは心配してるんだよ」「子どもが大変な時に親は初めて気づくんだよ」「不器用なだけだと思って返事してあげなよ」といった声ばかり。

そういうことじゃない。そういうことじゃないんだ!
わたしの心は張り裂けそうでした。

父の言葉が、心配ゆえ、愛情ゆえなのは理解しています。
子どものためを思っての、親としての精一杯の言葉なのだと思います。

それでも、遅すぎたんです。
父がわたしにつけた傷は、ひとつも癒えてはいません。
言われた言葉、されたこと、すべて鮮明に刻み込まれています。
そして、父がわたしに一言も謝っていないことも。

これから、わたしの人生を左右するような大きな選択肢の前に立った時、きっと両親のことは思い出さないでしょう。

「今」と「昔」を分けて考えることも時には必要である、というのも理解しています。
それでも、どうしても、昔言われたあの一言が、脳裏をよぎってしまうのです。

わたしは正直、家族のことが嫌いです。
きっと昔ほどではないけれど、今も家庭に居心地の良さは感じられていません。

でも、それでもいいのだと思えています。

人の居場所は、家庭だけではないから。
家族でも、友達でも、恋人でも、どんな関係性でも「信頼できる人」が見つかれば、きっとそれでいいんです。

ありがたいことに、今、わたしの周りには、わたしの意見を尊重し応援してくれる人がたくさんいます。
わたしが困った時や苦しくなった時、力になろうとしてくれる人がたくさんいます。

そんなあたたかい人たちに恵まれたからこそ、わたしはここまでやってくることができました。

あなたにとっても、きっといるはずです。
それは、親ではなかったかもしれません。兄弟でもなかったかもしれません。
でも、絶対にどこかにいます。
その方を、どうか見つけてください。

人生が、見える世界が、変わるから。

どうしてもつらい時は。子どもの味方になってくれる相談先一覧

このブログでは、あくまで「子ども自身の対応方法」をご紹介しましたが、過干渉は時に子どもの安全を脅かします。
もし、一人ではどうしようもない、もうこれ以上は耐えられないと思ったら、以下のページを参照してみてください。

子どもの味方になってくれる団体や相談先をまとめました。

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いじめ・不登校で悩んだ時、家族や友達にはなかなか相談しにくいですよね。 しかし、一人でいると、「いじめられる自分に原因があるのではな......

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