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「伝え方」について考えてみる

最近、伝え方についてよく考えます。
これまではいろんな人の背中を見て学んだり、教えてもらったりすることが多く、学ぶばかりの私でした。けれど最近は「教師になること」を改めて決意したこともあって、後輩からアドバイスを求められることも増えました。
伝えるというのは単純に「言葉にすればいい」ということではありません。
同じ言葉でも、人によって受け取り方は千差万別。
どんなに伝え方を工夫しても、どうしても思い通りには伝わってくれません。
それでムキになって「あなたのために言ってるのに!」なんて言ったときにはもう修復できません。
「自分のための言葉」であることなんて重々分かっているのです。それでもなお受け入れられずにいるのです。私が「受け取り側」のときは常々そう感じていました。「あなたのため」「将来役立つ」「やらなきゃ後悔する」それらの言葉は私の足かせにしかならなくて、湧く感情はいつも「それなのに理解できなくてごめんなさい」「それなのに受け入れられなくてごめんなさい」なんていう、申し訳ないってことばかり。
でも誰かに何かを伝えるときって、必ずしも謝らせることが目的ではありませんよね。
以前、こんなことがありました。
私は高校三年生のとき、演劇部に所属していました。副部長をさせてもらっていたんですが、三年生のある一人の部員が練習にあまり積極的に参加しておらず、その人が役をもっていたこともあって、一対一で話をすることになりました。
そのときの私の目的は「相手が部活に積極的でない理由を知ること」であり「積極的に取り組むように持って行くこと」です。原因が分かれば繰り返さないような対策ができるかもしれなしい、改善する工夫ができればまわりのモチベーションアップに繋がるかもしれません。
しかし当時の私はとても未熟で伝え方も分からず、その子は「謝ればいいんでしょ?!」となってしまい、結局相手とわかりあうことは出来ませんでした。

大切なのは「謝らせる」ことではなく「次に活かす」こと

では当時の私がどんな伝え方をしたかというと、真っ向ストレート勝負、「正論」です。
積極的に取り組まない人がひとりいるだけでどういう影響が出るか。実際今どのような問題がうまれているのか。これからどうしていくべきなのか。
相手に思いを馳せることもしないまま、ただ私は相手を責めてばかりいました。もちろん責めようと思ってやっていたわけではありません。ただ、「副部長」という立場を少々武器にしてしまったとは思います。未熟でした。
正論で逃げ場をなくしても、相手が無条件降伏するわけではありませんよね。高校生なら尚更。自覚しているところをつつかれたって、反発や反抗しか生みません。
また、言葉選びだけではなく、状況も「一対一」じゃない方がよかったと思います。他にも、イントネーションや表情も随分と厳しい雰囲気だったでしょう。そして相手の子と私の間にはじゅうぶんな信頼関係もなかったと思います。私は常に怒ってばかりいたもので^^;
伝え方というのは、言葉だけではなく、イントネーションや表情、雰囲気、まるまるひっくるめてのものなのです。
状況や間柄、相手の心境によって適切な「伝え方」は変わってきます。
全てを常に意識し続けることは難しいけれど、特に「マイナス情報を伝えるとき」には注意したいものです。
相手を追い詰めることが目的なのではなく、相手や自分にとってプラスに働かせていく(繰り返さない、改善する)ことが目的なんですから。
鷹れん

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