『晩夏のプレイボール』悩む前に、進め。そんな強さがここにある

a1180_013608
読書感想文、第3弾となります。
今回の課題図書は『晩夏のプレイボール』です。

概要

著者:あさのあつこ
ジャンル:青春
種類:短編集

あらすじ

夏の甲子園――全ての高校球児が目指す場所。しかしその場所に行けるのは、ほんの一握りの勝者のみ……。
団結して甲子園を目指していた、高校3年の夏に肩を壊した元エースと、とあるトラウマを持つ現エース。
誰よりも真剣に野球を愛し、しかしその野球を諦めるしかなかった女の子。
甲子園に挑むことさえ許されない廃校寸前の高校の野球児たち。
野球が大好きだった息子を亡くした夫婦。
甲子園の栄光を掴んだ青年。
野球に、甲子園に魅入られていく小学生…。
人と人の繋がり、土地と人の繋がり、人と「甲子園」の繋がりを丁寧に描いた、10の短編があつめられた一冊。

こんな人に読んでほしい

  • 青年たちの心の僅かな揺らめきや、細やかな情景が浮かんでくるのを感じたい人
  • スポーツはよくわからないけれどスポーツ・野球に興味のある人
  • 読書の習慣はあまりないけど読書に興味のある人
  • かつて、なにかに打ち込んでいた青春時代があった人

a0726_000150

読書感想文

※多少のネタバレを含んでしまいますので、「なにも知らずに小説を楽しみたい…!」という方は読後に読み進めてくださいませ(*´`)
▽『晩夏のプレイボール』を読みたい!という方はコチラ

晩夏のプレイボール (角川文庫)
高校生のとき、私は演劇部に所属していました。
入部していたのは、二年秋から三年冬までのたかだか一年程度。
春と秋の大会、そして文化祭の発表があったので、所属していたときに経験した発表は計五回でした。
期間は、高校三年間からしたらわずかなものでしたが、悔しさ、喜び、達成感、怒り、悲しみ、さまざまな気持ちを感じながら多種多様な経験をさせてもらいました。
途中から入った、いわば「半端者」な私を受け入れてくれた部員のみんなに、顧問の先生に、感謝でいっぱいでした。
勿論楽しいことや幸せなこともあったけれど、うまくいかなかったことやトラブルもたくさんありました。
自分ひとりで嘆いて、どうにもならないこともありました。
『晩夏のプレイボール』をはじめて読んだのは、ちょうどその頃でした。
作中には、甲子園の栄光を掴んだ人の数よりも、途中で未来を断たれる人やそもそも挑戦を許されない人のほうが多く登場します。
その一番上の栄光をつかめるのは、たった一握りだけなんですよね。
どうして上手くいかないの…と悩んでいた私にとって、それはとても大きな発見でした。
上手くいくことよりも、上手くいかないことの方が多い。
たったそれだけのことに、私は気づいていなかったのです。
全ての成功は、数え切れないほどの失敗を礎にしていること。
たったそれだけのことが、私にとって大きな救いになりました。
どうして上手くいかないのと自分やまわりを責める前に、もっと違うやり方はないか、改善点はないかと模索することが大切なんですよね。
『晩夏のプレイボール』の中には、挑戦をすることさえ許してもらえない人もたくさん出てきます。
性別、運命、実力、人数…甲子園は、さまざまなふるいを球児たちにつきつけてくるのです。
そのふるいで生き残った者にしか、あの土を踏むことは許されないのです。
それに比べれば、私の状況はなんと幸せなことか!
働きかけない張本人たちが目の前にいること。チャンスがこれから何回も何百回もあること。一度失敗したって再度挑戦することが許されていること。
そういったことに気づけたおかげで、私は最後まで後悔の残らないよう挑戦し続けることができたのです。
『晩夏のプレイボール』
私の行動のエネルギーになってくれた本です。
あさのあつこさんは私の大好きな作家さんのひとりなので、また別の機会にでもその魅力を語らせていただきたいなぁと思います(*´`)
鷹れん
a0777_000002
P.S.
次回の課題図書は…未定!
友達に本を何冊か借りたので、その中で気に入った本を紹介しようかな、なんてぼんやり考えています。
「この本おすすめです!」なんてものがあったら、教えてくれたら嬉しいです٩( ‘ω’ )و
▽『晩夏のプレイボール』をチェックしてみる!

晩夏のプレイボール (角川文庫)

不登校生のための『無料LINE相談』24時間受付中!

candleでは、不登校の小中高生からの悩み相談を「LINE」で24時間いつでも受付しています。相談はすべて無料!不登校を経験したスタッフや、カウンセラーの資格を持つスタッフたちがあなたの相談にのらせていただきます(*´`)

無料LINE相談はこちら