私は子供の頃から家族が苦手でした。
家族が苦手ってなに? と思われるかもしれませんが、簡単に言うと「家族を信頼できない、素直な自分を家族に出せない」ということです。
特に両親との関係性に悩んできました。
父親はいわゆる「親バカ」で、頬ずりをされた記憶が今も鮮明に残っています(あごひげがチクチクして大っ嫌いでした)。しかし甘いだけではなく、むしろ基本は厳しい人で、ルール違反(約束を破ったり嘘を吐いたり)すると激怒されました。殴られることはなかったけど、正論で攻め立ててくるあの空気は、思いだすだけでも身震いします。
それに対して母親はわりと放任主義なタイプで、その点はとても楽でした。ただ、感情表現がとても不器用な人でした。ヒステリックで、突然爆発してしまうタイプ。当時はうまい付き合い方がわからなくて苦労しました(^^;)
家族が苦手になった理由
そんな私ですが、なにも生まれたときから家族が苦手だったわけではありません。両親と兄と私、そして飼い犬アップルの4人+1匹家族ですが、兄と遊びに行くこともあったし、母とショッピングに出かけることもありました。
母親を嫌いになった理由:人の感情の受け止め方がわからなかった
最初は「母親との付き合い方」がわからなくなるところからでした。
先述したとおり、母親は感情表現が不器用な人です。
嫌なことを思い出したりストレスが溜まると「こんな嫌なことを思い出した」「こんな嫌なことがあってストレスを感じた」など私に話してきます。しかし、マイナスな話をずっと聞いているのもなかなか疲れるものです。(しかも「どうにかしたい」ではないので、同じ話をずーっとし続けるのです。やれやれ)
しかし人に話して自分の中の苦しみを共有したい、というのもわかるので、嫌な思いをしながらもずっと聞いていました。
人間というのは欲深いもので「嫌な我慢」をし続けると、「見返り」を求めるようになるんです。
私も見返りを求めるようになってしまいました。「母親らしさ」を求めるようになり、「そっちが愚痴を言うならこっちが言うのも当然だよね? 受けるよね? 当たり前だよね? 私我慢したもんね?」と、母親と会話しているときの7割が愚痴になりました。
母親はそれが嫌だったらしく、ある日「お前の愚痴を聞くために生まれてきたんじゃない」と言われました。
正気に戻って、次に思ったのは「愚痴や弱音を吐くのはいけないことなんだ」ということ。それから、弱音の吐けない、人に頼れない鷹れんが誕生したのです。
対して母親は、相変わらずの愚痴りっぷりでした。何度も何度も同じ話をされ嫌な思いはしていましたが「母親は毎日家事を頑張ってるし、育ててもらってる側なんだから耐えるのは当然。私から言うことはダメだけど、母親から言われるのは受け止めなきゃいけないんだ」と思っていて、ただひたすら聞いていました。
父親や兄、愛犬、家族に対しての文句がある日も少なくなく、幼い私の中には順調に「母親は家族を愛していない」というものが常識として刷り込まれて生きました。
家族が家族を愛していないのに、どうしたら私が家族を愛することができるのでしょう。幼い私には、そんなこと分かりませんでした。
そして思ったのです。
「母親は、私に対しても不満を持っている。私を愛してはいない」
その私の中の事実は、今でも私を苦しめています。その後、悩んだ時や困った時、真っ先に家族の顔が浮かぶことはありませんでした。
父親がうざい!と思い始めた理由
家族の愛し方がわからなくても、家族からの愛が感じられなくても、家族として過ごす日常は当たり前にあって、いつしか当たり前のことになりました。
しかし学校は平和ではなくて、ちょうど、私が「学校に行く」ことにたいして限界を感じていた頃。「休みたい」と言えなかった私は、学校に自分で連絡して、学校を欠席しました。
家族には伝えずに、駅前の図書館で読書をしながら時が過ぎるのを待ち、お昼頃帰宅しました。
その日は親にはなにも言われなかったのですが、それから何度か学校を親に内緒で休むことがあり、毎回罪悪感に押しつぶされそうでした。
あるときから、外に出ること自体恐怖を感じるようになりました。その頃、一度だけ親に「学校は嘔吐騒ぎがって消毒するか休校」と説明し、学校に「体調不良で欠席します」と説明し学校を休んだことがあります。
当たり前ですがそれはばれて、学校から親へ連絡がいきました。
父親に部屋へ呼び出されたとき、怒られる覚悟はしていました。それと同時に「やっと話を聴いてもらえる」というある種の安堵も感じていました。
けれど父親の第一声は「消毒なんてどこで知った」でした。
衝撃でした。
これまでずっと真面目にやってきたのに。宿題も忘れず提出したし、遅刻だってしなかった。家族に弱音を吐くことも、家族の前で泣くこともせず、「家族に愛されていない」という私の中の事実に苦しみながらも、誰にも言わずに頑張ってきたのに。
・・・それなのに、あなたはそんなことしか言えないの。
「どうして学校を休んだんだ?」って言ってほしかった。「大丈夫か」「なにかあったのか」「家族にも学校にも相談できなかったのか」って。
ただ一言、心配してくれるだけでよかったのに。
まるで父親に裏切られたかのような気持ちになりました。
それから何を言われたかは、よく覚えていません。
それからというもの、とにかく恐怖しか感じませんでした。家族からは「学校に行け」というプレッシャーを受けた時も、いじめの渦中にいる私を救ってくれなかった先生と会わせようとさせられる時も、「学校行かないなら勉強はどうするの」ときかれたときも・・・ただひたすら恐怖を感じ、怯えていました。
あの真っ黒い大きな恐怖を何故感じていたのかは、今ではよくわかりません。「いらない子」「ダメな子」と言われるのが怖かったのかもしれないし、追い出される恐怖を感じていたのかもしれません。
とにかく当時の私にとって「家族」は、安心できる場所でも素の自分を出せる場所でもなく、気を遣うだけの場所でした。ストレスしかかからなくて、けれど学校に行ってない私に発散する場所はなくて、頭がおかしくなりそうでした。
その後、一度見放されたはずの父親からメールやLINEが届くたびに「気持ち悪い」「うざい」と感じるようになってしまいました。
私を裏切ったやつが、どの面下げてメールしてくんだ。なんて、親を責めてばかりいました。
母親が嫌い!父親がうざい!と悩んだ鷹れんなりの家族との付き合い方
「お前の愚痴を聞くために生まれてきたんじゃない」と言われてから時間が経った今も、誰かに弱音を吐くことは苦手です。「迷惑なんじゃないか」「怒られるんじゃないか」「笑われるんじゃないか」怖くて怖くてたまりません。もちろん家族に弱音を吐くことは一切ありません。
今の私には、ココトモやティーンズプレイス、大学など・・・家族以外の居場所があるけれど、当時の私にはなにひとつありませんでした。
けれど、どうにかしないと自分の身体と心がダメになりそうで、「家族との付き合い方」を考えるようになりました。
1.「家族の意見が正解だ」と思わない
特に親の意見となると、子供は「親が言うのだから間違いない」「親に従ってればいいんだ」と考えがちです。特にうちの父親のように評価されたり、厳しい親に育てられるとそう考えてしまうらしいのですが、これは大きな間違いです。
親だって人間です。間違えることもあります。むしろ間違えないほうがおかしいんです。
「こっちにしなさい」「それはやめなさい」
と親から言われたとき、素直に「そうなんだな」と思わなくていいんです。諦める必要も、嫌な我慢をする必要もありません。
「自分はこうしたいから」と、自分の意志を強く持ってください。
生まれたばかりの頃は、失敗したときも間違えたときも、家族が責任をとってくれます。しかし、親は一生子供のめんどうを見ることはできません。一生責任を肩代わりすることは不可能なんです。
人によってタイミングは様々だけれど、自立するとき、自分の人生は自分で責任を持たなくてはいけません。だからこそ、子供の頃から、守ってもらえる時から「自分で責任を持って選択する」ということの練習をしておきましょう(*´`)
2.「親のほうが大変だから受け入れるのは当然」と思わない
親は、毎日お仕事頑張ってる。専業主婦も、朝から晩まで家族の料理をつくったり買い物に行ったり洗濯したり掃除したり大忙し。
養ってもらってる自分はすごく楽をしてるんだから、親から文句を言われようと、傷つくことを言われようと、受け入れるのは当然。
・・・そんなふうに考えてしまうと、いつか、治らない傷が心の中にできてしまいます。
前述したとおり、親だって人間です。聖母マリア様じゃないんだから、人が傷つく言葉を言ってしまうことも、それを愛する我が子に向けてしまうこともあるでしょう。
しかし、だからといって「傷ついてあげる必要」はありません。
理不尽な文句を言われたら怒っていいんです。正しいことを怒られても、反発していいんです。反抗期ってやつでしょうか。
実は、反抗期がない方が危険なんです。
反抗期というのは、親から愛されてるというのを分かっているからできることなんですよ。「これだけ対抗しても、愛してくれるから」「守ってくれるから」と安心することで、反抗期になることができるんです。
私は、ずっと反抗期がありませんでした。反抗したら、捨てられるかもしれない。愛してもらえないかもしれない。そんな不安がある中では、反抗期になんてなれないのです。
思い切って反抗してください。
大人になるための大切なステップだと思います。
「傷ついてあげる」のは、自分の守るべき人ができた時でいいんです。
3.うざいときはうざい! 「伝えてしまってもいい」と考える
家族に対して不満を感じたり、「うざい」「嫌い」などと感じたら、それを伝えてしまっていいんです。口に出していいんです。
その瞬間は、怒られるかもしれません。ひどく傷ついた顔をされて、罪悪感でいっぱいになるかもしれません。喧嘩になるかもしれません。
しかし、全部全部溜め込んでしまうには、人の心は容量が足りないのです。
全てじゃなくとも、少しは出してしまっていいんじゃないかな。そんな時くらい、親に甘えてしまいましょう。
そして落ち着いたら、「ごめんなさい」と「ありがとう」を伝えればいいんです(*´`)
最後に
親との縁は、よほどのことがない限りは、切っても切れない縁でしょう。素直になれない時も、対立する日もあると思います。けれどその全てが、いつか双方にとって「あってよかった思い出話」になると思います。
私は親との距離感が遠めなのが心地いいけれど、距離感は家族によって様々ですから、ぜひ自分に合った付き合い方を見つけていただければと思います。
お読みいただき有難うございました。このブログが、親・家族との付き合い方に迷っている人のチカラになれれば幸いです^^
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