「がんばれ」が受け取れなかった過去。

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「がんばれ」「応援してるよ」「あと少しだ!」「ここで踏ん張れば」「まだ大丈夫」
世の中には、人を励ます言葉がやまほどあります。
私はこれまでいろんなことで悩んできましたが、その間もいろいろな言葉をいただきました。
もちろんいただいた言葉の中には「私を傷つけるためだけにつかわれた言葉」だったり「相手の気持ちを満たすためだけにつかわれた言葉」だったりもあります。けれどそれよりもつらかったのは「相手は善意なのに結果自分は傷ついてしまう」言葉たち。
一番多かったのは「がんばれ」でした。

「がんばれ」と言われた私の心の中

がんばれと言われたとき、私はどう考えていたのかと言えば「ただでさえ必死にがんばっているのにこれ以上なにをすればいいの?」とか「今の私はがんばってないってことだろうか」とか。相手に対する反発と自己嫌悪の嵐でした。
私自身、誰かに向けて「がんばれ」と言うことはよくあるし、「がんばれ」という言葉の中にそんな陰湿な意味が含まれているとは思っていません。しかし当時の私は、そうとしか受け取れなかったんです。

がんばれの中に見出す意味は、人それぞれ

一番苦しかった時代の私は、「がんばれ」という言葉の中にさまざまな意味を感じ取っていました。

  • あなたはがんばっていない
  • あなたのがんばりは足りていない
  • もっとがんばるべき
  • どれだけ「がんばってる」と言っても無駄
  • etc…

他にもいろいろ。これは「がんばれ」の言葉だけでなく、他の「善意の言葉」に対しても同じです。
「応援してるよ」だって「今の私は休みたいのに休めないから走ってる。本当に私を理解していたら“応援”なんて言えない。結局それはあなたの自己満足だよ」なんて考えていました。今考えればなんともバチ当たりな考え方。けれどそんな考え方しか出来ないくらい、私は追い詰められていました。
私のまわりには「がんばれ」という言葉に追い詰められた経験をもつ人が多いです。がんばれだけでなく、誰かから向けられた言葉に対して(それが善意か悪意かは関係なく)考えすぎたり追い詰められたりしたことのある人が多くて、そんな話をきくたびに「言葉には気をつけなきゃな」と感じます。
例えば私は「見守ってるよ」みたいな言葉は「前に進むかどうかはあなた次第よ」くらいのいい具合な「ほっとかれ方」な気がしてわりと救いになっていたのですが、ある人は「見守るだけじゃ助けてくれないんでしょ。だったらいっそ離れていって」みたいに感じたことがあると話してくれました。
ひとつの言葉でもいろいろな捉え方があります。
実際には、同じ言葉でも相手との間柄や言い方、雰囲気、環境などその場のいろいろなものが重なって「その言葉の意味」を形成します。
さらに、その言葉の意味が「言った人」と「受け取った人」とでマッチすることはなかなかありません。
言った人が「どうかこの人が少しでも楽になれますように」と切に願って発した言葉だとしても、どう受け取るかは受け取る人次第。それが励みの言葉になることもあれば、心臓に深く突き刺さるナイフになってしまうこともあるのです。
私が言われた「がんばれ」も、その全てが私を追い詰めるためのものではなくて、むしろそのほとんどは私を励ますためにつかわれた言葉のはずです。かといって自分が悪いとは思っていません。当時の私には当時なりの受け取り方しかできなかった、それはしょうがないこと。今の私にできるのは、今の私の受け取り方を変えていくこと、今の私の言い方を変えていくことだけなのです。

なんて考えてても言いたくなる「がんばれ」の言葉

そんなこんなを考えながらも、つい「がんばれ」と言いそうになることがあります。もちろんその言葉の中に「今のあなたはがんばっていない」とか「もっとがんばるべき」みたいなメッセージは含んでいませんが、相手と私が同じ人間でない以上完璧に誤解を生まないとは言えません。
駅伝で懸命に足を動かし続ける人や、苦しい状況にいながらも将来の夢を持って歩き出そうとしている人、はたまた映画の中で絶体絶命のピンチに立たされた主人公にまで、私は「がんばれ」と言いそうになるのです。
けれどその時、気をつけていることがあります。

「がんばったね」「がんばってるね」

「がんばれ」という言葉の代わりに、上のふたつの言葉「がんばったね」と「がんばってるね」を使うようにしています。
「がんばれ」という言葉に傷付いた人のほとんどは、「がんばれ」と言われたときに「今の自分はがんばりが足りていないのか」と感じる方が多くて(私がかつて凹んだときもその受け取り方をしていました)、だったら「今のあなたは充分がんばってるよね」っていうメッセージを含めた言葉にすればいいんじゃないかと。
「あと一歩踏ん張ろう」「あと少しだよ」みたいな言葉をかけるときも、できるだけ「がんばったね」「がんばってるね」をくっつけるようにしています。
もちろんそれだけで全ての誤解が防げるわけではないけれど、そういうちょっとした心遣いをすることで変わる未来があるのなら、そういう「ちいちゃいこと」に注目してみるのも、いいのではないかなぁ。
鷹れん
 

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